胃癌組織型の多様性を生じる分子メカニズムの解析
我々は発癌の分子機構を特に分化とエピジェネティクスの視点から追求し、特に胃癌研究においては、(a) クロマチン構造変換因子SWI/SNFの必須構成因子Brmが様々な悪性腫瘍で欠失しており、癌抑制遺伝子として機能すること(Oncogene 24:5471,2005)、(b) Brmが特に胃癌において高頻度に欠失し、その発現が胃癌組織型と明らかに関連していること(図A、Cancer Res 67:10727,2007)、(c) 消化管分化の必須転写因子Cdx2がBrm型SWI/SNF複合体と共役し、腸分化マーカーvillinの発現を制御すること(図B, 図C、Exp Cell Res 315:1779,2009)、(d) Brmの発現欠失は可逆的であり、次世代の抗癌剤と期待されるHDAC(ヒストン脱アセチル化)阻害剤処理によって発現回復すること(Oncogene 24:5471,2005/J Biol Chem 2278:7422,2003)を、発見・報告してきました。
これまでの研究成果を踏まえ、現在、『本来は慢性炎症に対する防御機構である腸上皮化生の過程において、エピジェネティカルなメカニズムの破綻(Brmの発現低下~欠失によるSWI/SNF複合体の機能異常など)によって、Cdx2に代表される共役する腸分化制御遺伝子の発現調節異常が生じ、結果として「腸への分化の破綻」が引き起こされ、胃癌の悪性度上昇や組織分化度の低下に繋がる』というモデルを提唱しています(図D)。
「腸分化(腸形質への分化)」の進展・維持・破綻に関しては分子基盤が少しずつ明らかとなってきていますが、それでも未解明な部分は非常に多く、「胃分化(胃形質への分化)」の維持がどのように制御され、その失調~破綻がどのような機序で生じるかに関しては、殆ど解明されていません。胃癌の発症、ならびに、その多様な組織型が生じる原因の究明には、「消化管分化」の制御と破綻の分子メカニズムに迫ることが必須であると考えています。
(山道信毅、高橋悠、中山千恵美)
腸分化誘導による胃癌抑制の可能性の追求
腸上皮化生の進行・広がりとともに胃癌の発症頻度が高くなると考えられている一方で、完全型(≒腸型)腸上皮化生の組織構築は、不完全型(=胃腸混合型)よりも明らかに整っており、むしろ、随伴して生じる胃上皮性腫瘍の悪性度は低いという考え方が、以前より根強くあります。「悪性度が低い胃腺腫は胃癌に比べて明らかに腸型分化マーカーの発現が強く、胃型分化マーカーの発現が弱い」という我々自身の先行研究(PLoS One. 2013;8(2):e56766)の結果も踏まえ、胃癌は「胃への分化」と「腸への分化」が不安定な状態の粘膜から好発するという仮説に立って、様々な実験を行なっています。
何らかの遺伝子導入、あるいは、薬剤刺激による腸型形質への強制的な分化誘導が、胃癌のoncogenic potentialを変えるのではないかという夢を追って、分子生物学・生化学・病理学・内視鏡学など様々な概念と手法を組み合わせながら、一歩一歩、研究を行なっています。
萎縮性胃炎→腸上皮化生→胃癌と進行する胃癌発生の経路の解析
この研究に関して、以下のような免疫染色を行なっています。
(山道信毅)
消化器内科の外来受診あるいは入院診療をうけられた患者さんへ
研究課題名:「胃癌関連マーカーならびに消化管分化マーカーの免疫染色による発現解析の検討(後ろ向き解析)」研究への協力のお願い
東大病院消化器内科では、様々な成因で起こってくる胃癌や大腸癌、食道癌などの発生機序につき、様々な観点から研究を行ってきました。特に胃癌はその組織型が、病変の浸潤・転移などの進行度合いとともに治療方針に大きく影響しますので、患者さんの治療方法を決めるにあたり、それらの解析は非常に重要な要因となります。しかしながら、その胃癌の組織型決定の詳細は殆ど解明されておらず、組織型の判定に関して有用な目印(マーカー)や浸潤転移の指標となる目印の検索が医学上の大切な課題です。このことにより、診断治療への応用が期待されます。また、他の消化管癌(食道、大腸、小腸)に関しましても、その成り立ちを検索するために指標となりえる目印を特定し、癌の発生機序に関して深く追求することが、病気への理解、ひいては、診断治療に繋がるものと考えられます。
そこで、東大病院消化器内科を受診されました患者さんの以前のデータを解析することといたしました。対象となるデータは、患者さんの診断名、検査結果(血液検査)、内視鏡所見、内視鏡によって得られた生検の病理標本、内視鏡治療によって得られた治療後の病理標本を対象といたします。病理組織標本に関しては、消化管全般の組織で検索を施行するため、食道、胃、大腸、小腸の標本を使用します。
この研究は、過去の診療記録を用いて行われますので、該当する方の現在・未来の診療内容には全く影響を与えませんし、不利益を受けることもありません。解析にあたっては、個人情報を匿名化させていただき、その保護には十分配慮いたします。当然ながら、学会や論文などに使用される結果発表に際しては、個人の特定が可能な情報はすべて削除されます。
この研究に関して、不明な点がある場合、あるいはデータの使用に同意されない場合には、以下にご連絡頂きたいと思います。なお、本研究は、当院の倫理委員会の承認を得ております。
この研究への参加をお断りになった場合にも、将来的に当科における診療・治療の面で不利益をこうむることはありませんので、ご安心ください。
平成 23年 12月 11日
連絡先 東京大学医学部附属病院 消化器内科 山道信毅
住所:113-8655 東京都文京区本郷7-3-1
電話:03-3815-5411(内線 36818)
消化管分化マーカー遺伝子の発現制御解析と臨床応用
現在、我々は下記のような分子生物学的手法を用いて、消化管分化に関与する遺伝子の同定、ならびに、その分子メカニズムの解明を目指しています。
◇ 遺伝子発現ベクターを用いた一時的な遺伝子過剰発現
これまでに胃腺窩上皮マーカー遺伝子MUC5AC、腸分化マーカー遺伝子villin1の発現制御解析を行ない、報告しています。
【文献】
(影山夏子、山道信毅)
胃粘膜メチル化の検証によるESD施行後異時性多発胃癌発生予測に対する前向き多施設共同研究
40-80歳の早期胃癌患者でESD施行症例782例(追跡期間中央値2.97年)を3年間追跡したところ、66例に追跡開始後1年以上を経て、異時性多発胃癌が発生しました。特にmiR-124a-3のメチル化レベルが高い症例は低い症例に比べて有意に異時性多発胃癌発生のリスクが高い結果が得られ(ハザード比2.3、95%信頼区間1.0-5.1、P=0.042)、EMX1・NKX6-1についても同様の傾向が認められました。この結果は、追跡開始後1年未満の胃癌を含む81例の解析でも同様でした。
今回、示された「異時性多発胃癌の予測における有用性」をもとに、「健常者の将来的な胃癌発症予測にも応用できるか」というテーマに向けて、現在は新しい取り組みを開始しています。
十二指腸腫瘍性病変の網羅的な遺伝子発現解析
1回の生検(約10mg)から、マイクロアレイに十分な精度の全RNAが3~10μg得られており、実際のクラスタリングも問題なく可能な結果が得られています(図1)。現在、バイオインフォマティクスの専門家である冨田秀太准教授(岡山大学)との週1回のWEBカンファレンス(図2)を通じて、解析を進めています。
(坂口賀基、山道信毅、高橋悠、竹内千尋)
細胞間接着・細胞極性に根差した消化器癌の発症機構・悪性度の解明
癌は一般に病理学的に構造異型と細胞異型を評価することにより診断されます。細胞の集合として組織が成り立っていることから、組織の構造としての異常である構造異型は、細胞の形態異常や細胞間接着の異常と関連しているのではないかと考えることができます。実際に、細胞接着因子の一つであるE-cadherinの異常は胃癌と深い関連があることがよく知られていますが(Nature 392, 402-405:1998)、これは細胞間接着が癌と密接に関連することを示す1つの例と言えるでしょう。
細胞間接着においては、① Tight junction、② Adherens junction、③Desmosomeが大きな役割を果たしています。Tight junctionは近年、4回膜貫通タンパクであるclaudinを中心に癌との関連についての報告が増えており、胃においては臓器特異的に発現するclaudin 18を中心に、claudinファミリーと腸上皮化生や胃癌との関連が報告されています(Cancer Sci 98(7), 1014-1019:2007, J Histochem Cytochem 57(8), 775-785:2009)。Adherens junctionでは cadherin-catenin がよく研究されており、上記のようにE-cadherin と癌の関連については特に有名です。またnectin-afadinからなる接着と癌の関連については、nectin 4が乳癌・卵巣癌・肺癌で異常発現すること(Oncogenesis3, e118:2014, Am J Clin Pathol 134, 835-845:2010, Cancer Res 69, 6694-6703:2009)、afadinの減少が乳癌・大腸癌の予後と関連があること(Int J Cancer 131,E236-243:2012, Biochim Biophys Acta 1843(3), 618-628:2014)などの報告があります。Desmosomeについては尋常性天疱瘡など皮膚疾患との関連について有名ですが、Desmosome関連タンパクの発現欠失により癌の転移や予後が悪化することが報告されています(Nat Rev Cancer 11(5), 317-323:2011) 。
我々はさらに細胞極性にも注目しています。細胞極性は細胞異型と密接に関連していると想定され、上記の細胞間接着因子と細胞極性因子の間にも、様々な関連があることが知られています(Nat Rev Cancer 12(1), 23-38:2011)。これらの細胞間接着因子・細胞極性因子と癌の関連について、病理学・分子生物学・内視鏡学などのミクロ・マクロの手法を組み合わせた集学的アプローチによる解明を、様々な研究機関との共同研究を通じて目指しています。
(高橋悠)
当科では「細胞接着因子の消化管臓器における発現の病理組織学的検討」の研究を行っております。
【研究の目的】
当科では、胃癌や大腸癌などの消化管癌の内視鏡的治療を行っております。治療の前には癌の正確な範囲を認識する必要があり、現在では高い精度で内視鏡的に診断可能となってきています。一方で癌の範囲を認識できない症例もあり、また癌部・非癌部の見た目の違いを生む原因についても十分に解明されていません。見た目の違いの原因として、細胞同士の結びつき方に変化が起こっていることがあるのではないかと考え、非癌部、癌部の間での細胞の結びつき方に関連するタンパクの発現に差があるかどうかを検証することを目的としています。
研究期間:本審査の承諾日〜5年間(予定)
【対象となる方】
東京大学医学部附属病院消化器内科で2005年1月1日以降に行われた内視鏡下生検・内視鏡的粘膜切除術(EMR)・内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を施行された方。
既に得られている資料を用いての研究ですので研究対象者に新たに侵襲や費用が発生することはありません。
【研究の方法】
この研究は東京大学医学部倫理委員会の承認のうえ実施されます。以前に受けられた内視鏡的切除検体を使用して行う研究です。必要となる個人情報は、病理標本(生検、内視鏡的粘膜切除術、内視鏡的粘膜下層剥離術にて得られた検体)、病理所見、内視鏡所見、症例の基本情報(診断、年齢、性別、身長、体重、血液データ)です。個人情報は厳重な管理のもと研究終了後5年間保存されます。研究対象となることを希望されない場合や、お聞きになりたいことがある場合には下記までご連絡下さい。本審査の承認日より1年以内にご連絡をいただかなかった場合にはご了承をいただいたものとさせていただきます。また、研究対象となることを希望されない場合には下記「同意撤回書」をダウンロードしていただきご郵送いただくことも可能です。
研究結果は個人が特定できない形式で学会等で発表されます。なお、全ての解析が終了後の成果については、お問い合わせがあれば全体の結果に関して開示します。下記までご連絡ください。
【連絡先】
東京大学医学部附属病院消化器内科 高橋悠
住所:東京都文京区本郷7-3-1
電話 03-3815-5411
Eメールでのお問い合わせ: yutakahashi-tky[アットマーク(@に変えてください)]umin.ac.jp
消化管分化の観点からみた十二指腸上皮性腫瘍の病理学的な解析
こうした背景を踏まえ、我々は現在、内視鏡的に切除された十二指腸原発の早期癌・腺腫症例の臨床的・免疫組織学的特徴を評価し、その病態を明らかにすることを目標に、臨床研究を進めています。現在、当院ならびに関連施設における約70症例の内視鏡治療切除検体の症例蓄積が得られ、その成果を学会報告していますが、さらなる内視鏡治療症例の蓄積を継続するとともに、外科切除された進行十二指腸癌への解析の展開を目指しています。
(皆月ちひろ)
東大病院消化器内科では、胃・食道・大腸などの消化管癌の発生機序につき、様々な観点から研究を行ってきました。現在、上部消化管内視鏡検査は広く普及し、上部消化管疾患の診断の性能は格段に上がっています。その中で、十二指腸に発生する腫瘍は極めて稀な疾患と言われています。十二指腸腫瘍の診断、治療の指針は決まっていないため、大腸癌の診断指針に沿って診断したり、胃の腫瘍性病変に準じて治療を行ったりしているのが現状であり、臨床的特徴の報告も不十分と言わざるを得ません。十二指腸腫瘍における病態の把握や、診断学の確立が医学上の大切な課題です。十二指腸腫瘍の病理学的・臨床的特徴の理解が深まることで、今後、より正確な診断や効果的な治療に繋がるものと考えられます。
そこで、東大病院消化器内科を受診されました患者さんの以前のデータを解析することといたしました。対象となるデータは、患者さんの診断名、検査結果(血液検査)、内視鏡所見、内視鏡によって得られた生検の病理標本、内視鏡治療によって得られた治療後の病理標本を対象といたします。病理組織標本に関しては、十二指腸の組織で検索を施行するため、十二指腸の標本を使用します。
この研究は、過去の診療記録を用いて行われますので、該当する方の現在・未来の診療内容には全く影響を与えませんし、不利益を受けることもありません。解析にあたっては、個人情報を匿名化させていただき、その保護には十分配慮いたします。当然ながら、学会や論文などに使用される結果発表に際しては、個人の特定が可能な情報はすべて削除されます。
この研究に関して、不明な点がある場合、あるいはデータの使用に同意されない場合には、以下にご連絡頂きたいと思います。なお、本研究は、東京大学医学部倫理委員会の承認を得ております。
この研究への参加をお断りになった場合にも、将来的に当科における診療・治療の面で不利益をこうむることはありませんので、ご安心ください。
平成 25年 3月 29日
連絡先 東京大学医学部附属病院 消化器内科 山道信毅
住所:113-8655 東京都文京区本郷7-3-1
電話:03-3815-5411(内線 36818)
大腸鋸歯状腺腫及び大腸過形成性ポリープの発症機構の解析:遺伝子発現解析を介した分子基盤の解明
1.この研究の概要
【研究課題】
大腸鋸歯状腺腫及び大腸過形成性ポリープの発症機構の解析:遺伝子発現解析を介した分子基盤の解明
【研究機関名及び研究責任者氏名】
この研究が行われる研究機関と研究責任者は次に示すとおりです。
研究機関 東京大学大学院医学系研究科 消化器内科分野第406研究室
研究責任者 東京大学医学部付属病院消化器内科・予防医学センター・センター長 山道信毅
※担当業務:研究監督・データ管理・データ解析
【共同研究機関】
主任研究施設 東京大学大学院医学系研究科 消化器内科
研究責任者 東京大学医学部付属病院消化器内科予防医学センター・センター長・山道信毅
※担当業務 研究監督・研究実施・データ収集・データ管理・データ解析
共同研究施設 岡山大学医歯薬学総合研究科
研究責任者 岡山大学医歯薬学総合研究科・准教授・冨田秀太
※担当業務 データ解析
【研究期間】
研究承認後、2027年3月1日まで
(研究開始当初は2022年3月1日まででしたが、この度症例集積継続のため5年後期間延長を行うこととなりました)
【研究目的】
この研究は、大腸鋸歯状腺腫及び大腸過形成性ポリープに発現している遺伝子の中から、大腸鋸歯状腺腫及び大腸過形成性ポリープに特有の遺伝子が存在するかを調べ、そのような遺伝子が存在する場合にはその性質を調べた上で今後の早期発見や治療に役立ていくことであります。
【研究方法】
下部消化管内視鏡検査にて大腸鋸歯状腺腫及び大腸過形成性ポリープの内視鏡的治療施行時に、大腸鋸歯状腺腫及び大腸過形成性ポリープ、ならびに周囲の正常大腸粘膜の組織を通常の内視鏡的生検方法にて採取します。生検鉗子で数mg程度の組織を通常より2か所多く採取します。今回の研究で行われる内視鏡的生検方法は通常の診断・治療の一環として行われる内視鏡検査を施行する際についでに行う検査であり、それ自体に伴う身体への危険性の増加は限りなく0に近いです。
当研究に同意いただいた参加者の組織に含まれるRNAという遺伝子を取り出し、これを調べます。対象となる遺伝子は、大腸鋸歯状腺腫及び大腸過形成性ポリープと関係する可能性のある全ての遺伝子です。この遺伝子を統計学的手法により解析し、大腸鋸歯状腺腫及び大腸過形成性ポリープ特有の共通遺伝子を特定します。さらに、残りの参加者の大腸鋸歯状腺腫及び大腸過形成性ポリープにも同様の遺伝子が認められるか再確認を行います。
なお採取した検体で遺伝子発現解析群となるかRT-PCR群のいずれかに割り付けさせていただきます。どちらの群となっても治療に不利益は生じません。どちらの群に割り付けとなるかは病理結果を参考にして研究責任者が割り付けを行わせて頂きます。
2.研究協力の任意性と撤回の自由
この研究にご協力いただくかどうかは、研究参加者の皆様の自由意思に委ねられています。もし同意を撤回される場合は、同意撤回書に署名し、外来主治医・連絡担当者・研究責任者のいずれかにご提出ください。なお、研究にご協力いただけない場合にも、皆様の不利益につながることはありません。研究期間中にご本人の申し出があれば、いつでも採取した組織や遺伝子を調べた結果を廃棄します。また、関連する情報・データもそれ以降研究目的に用いません。
3.個人情報の保護
この研究に関わる成果は、他の関係する方々に漏えいすることのないよう、慎重に取り扱う必要があります。あなたの人体試料や情報・データは、分析する前に氏名・住所・生年月日などの個人情報を削り、代わりに新しく符号をつけ、どなたのものか分からないようにした上で、当研究室において厳重に保管します。ただし、必要な場合には、当研究室においてこの符号を元の氏名などに戻す操作を行い、結果をあなたにお知らせすることもできます。
4.研究結果の公表
研究の成果は、あなたの氏名など個人情報が明らかにならないようにした上で、学会発表や学術雑誌及びデータベース上等で公表します。
結果については、個人的なお問い合わせがあった場合、個人的な結果 又は 全体の結果(もしくは両方)についてお伝え致します
5.研究参加者にもたらされる利益及び不利益
この研究が、あなたに直ちに有益な情報をもたらす可能性が高いとはいえません。しかし、この研究の成果は、今後の大腸鋸歯状腺腫及び大腸過形成性ポリープに対する研究の発展に寄与することが期待されます。また今回の研究では通常の内視鏡検査中に、追加で2か所の組織検体を採取させていただき、通常の診療に加えて要する時間としては最大5分です。内視鏡的組織検体採取に伴う偶発症はほとんど報告がなく、今回の研究参加に伴う不利益はほぼないと考えられます。万一当研究に伴う有害事象が認められた際には保険診療での対応となる点をご了承ください。
6.研究終了後の資料(試料)等の取扱方針
あなたからいただいた資料(試料)等は、この研究のためにのみ使用します。
しかし、もしあなたが同意してくだされば、将来の研究のための貴重な資源として、研究終了後も引き続き保管します。符号により誰の資料(試料)等かが分からないようにした上で、使い切られるまで保管します。なお、将来、当該資料(試料)等を新たな研究に用いる場合は、改めて東京大学医学部倫理委員会の承認を受けた上で用います。
7.あなたの費用負担
今回の研究に必要な費用について、あなたに負担を求めることはありません。なお、あなたへの謝金はありません。通常の外来診療における自己負担分はご負担頂きます。
8.研究から生じる知的財産権の帰属
本研究の結果として特許権などが生じる可能性がありますが、その権利は国、研究機関、民間企業を含む共同研究機関及び研究従事者などに属し、皆様はこの特許権等を持ちません。また、その特許権等に基づき経済的利益が生じる可能性がありますが、これについての権利も持ちません。
9.その他
この研究は、東京大学医学部倫理委員会の承認を受けて実施するものです。なお、この研究に関する費用は、東京大学大学院医学系研究科消化器内科分野第406研究室の運営費及び研究助成金から支出されています。ご意見、ご質問などがございましたら、お気軽に下記までお寄せください。
研究助成金申請予定:安田記念医学財団がん研究助成、佐川がん研究振興財団研究助成金、内視鏡医学研究振興財団、公益財団法人高松宮妃癌研究基金、岸本基金研究助成(千里ライフサイエンス振興財団)、大阪癌研究会、中山がん研究所研究助成、がん研究振興財団研究助成
【データの提供方法】
この研究により得られたデータは共同研究施設である岡山大学に、対応表のある匿名化遺伝子発現データ(個人情報を含まない)として送付致します。岡山大学と送付したデータに対する解析方法の共有を致します。なおデータの送付はパスワードのかかったエクセルファイルを電子メールで送付致します。
2022年3月7日
【連絡先】
研究責任者:山道信毅
連絡担当者:大木大輔
〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1
東京大学大学院医学系研究科 消化器内科第406研究室
Tel: 03-5841-5411(内線33019) Fax: 03-5800-8806